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屋久島でお世話になった方にメイルで問い合わせたところ次のようなご返事をいただきましたので、ご紹介します。
など、様々な現象が絡み合って総体をなしている。
伐採してたとえすぐに天然更新が始まったとして、1.はなんとかなっても2.と3.は失われるので、保水力は衰える。
以下、テープ起こしから引用したものへ少しコメントします
(1)
※コメント⇒人工林と自然林を混同しているうえ、屋久島の森の現状を知らない。屋久島で「昔のままのところ」(原生林と言う意味か?)が枯れていくというのなら、300年以上の荘厳なヤクスギの森は何なんだ?
(2)
※コメント⇒(1)に引き続き、保護と管理をごっちゃにしている。生半可にありがちな混乱した発言。国(林野庁)は全国的に人工林を保護ではなく放置して荒廃させてしまい、現在は森林組合などを下請けに使って(形だけ)間伐をしている。一方で「林野庁は自然を守っている」という印象を浸透させようとして、自然林には徹底して手をいれないという姿勢を強調している。なお営林署は改名して森林管理署と名乗っている。
(3)
※コメント⇒各集落の共用林組合が立木の売却をすることはあるが、古い山は切ってください、というような注文はあまり聞いたことがない。それどころか、永田集落などは土面川の国有林伐採後に起きた土石流によって大損害が発生したため、国(林野庁)を相手取って裁判を起こした。しかもこれに敗訴したため態度を硬化させ、2度と伐採は許さないという強固な立場をとっている。
(4)
※コメント⇒山中に広大な伐採地を作ったためシカが増え、これが里に下りて畑を荒らしていると考えられている。話の順序が逆である。また山の木を切って餌場を作ってやるなどという計画は全くない。
屋久島でも林野庁や大東の伐採に疑問を感じ、批判的な意見を持っている者はいます。問題がないのではなく、他に大問題が多かったので、目立たなかっただけです。
なお屋久島の大東海運は現在チップよりもスギ小径木製材が主な仕事になってきているようです。
先方の言うところの「山の再生」を説明会でも具体的に示してもらえたのでしょうか。工場のスペックと伐採計画を公表すると同時に、第三者の調査機関による森林の再生スピードの調査、屋久島での実績の精査も必要と思われます。持続可能な資源の利用は人類の夢でしょうから、むげに却下するよりも建設的な議論が行われることを期待します。
・・・というのは、傍観者的建前の意見ですが、個人的には屋久島(504平方キロメートル)よりもはるかに小さい加計呂麻島(77平方キロメートル)で同規模の伐採を行えば、生態系が崩壊するのはたやすく想像がつきます。そのリスクを承知で島民の皆様が受け入れるのかどうかにかかっているのかと思います。
しかし、「破壊」「汚染」などのキーワードで感情的になることなく、島の後世に恥じない聡明な判断を下される事を期待します。
説明会のテープを起こした文章がsavekakeroma@まとめウィキにリンクされているブログにあります。
これを見る限りは、「山の再生」についてはほとんどまともに考えているとは思えない説明です。